検査値の読み方(初級〜中級)

ヘモグロビン、ヘマクリットが基準値内でも、フェリチンが低値では強い貧血の症状がおきます。



血糖値の平均であるグリコアルブミン値が12.7と、基準値内ではあるものの、たいへん低値でした。
グリコアルブミン値が14.5以下では、低血糖症を疑います。
とくに女性では、月経前のエストロゲンプロゲステロンとういう女性ホルモンの分泌が起こる時に、インスリンの過剰分泌が起こりやすくなり、過食症状が悪化します。
この方には糖質を制限した低インスリンの食事方法を実践していただきました。


グリコアルブミン
12.3-16.5 13.5 13.8 12.7
この患者さまでは、グリコアルブミン値が低く、低血糖症と考えられます。





また、初診時のMCHCは、32以下と低値です。
特に、女性の場合は、不定愁訴の原因となります。



A/G比は1.7以下でアルブミンが低い状態です。
このような場合、血液濃縮、いわゆるドロドロ血になっていることがほとんどです。
タンパク質・とくにアルブミンが、血液中に水分を保持できる「スポンジのような」働きを持っているため、アルブミンが減少すると水分量が減り、ドロドロ血液になります。
こうなると血管内に水分を十分に保持できないため、血管外に水分が滲出し、いわゆる「むくみ」の大きな原因になります。





LDHの参考基準値は120〜240ですが、200以下はビタミンB群の不足のために、疲労物質を除去する能力の低下を示し、非常に疲れやすい状態です。

http://www.clinic-hygeia.jp/ex/ex-pms.html


ALPやLDHは、脂肪肝であれば高めに出てきますので、本来はもっと低いかも。
だとすると、亜鉛マグネシウムナイアシンなどの欠乏は重篤かも知れません。

http://www.breath-design.com/?eid=1621099







○栄養療法に基づいた検査値の理想値

■LDH 200以上

ナイアシンの欠乏の程度がよくわかる。
理想値よりも低いと神経過敏になりやすく、うつ病神経症統合失調症の発症リスクが高まる。

アレルギーの人はナイアシン欠乏があっても、この値が高めになるため、該当する症状がある人は
ナイアシン欠乏を疑おう。



■総タンパク 7.0g/dl以上

心身の正常な機能には十分なタンパク質が必要です。
総タンパクは血液中を流れるタンパク質の量のことで、タンパク質の合成量や摂取量を反映する。


アルブミン4.5以上

肝臓で合成する最も重要なタンパク質で栄養素や薬などを体内に運ぶ役割も持つ。

肝臓のタンパク合成の力を反映。
理想値よりも低いとタンパク質とビタミンB群不足の可能性があり、むくみ、だるさなどの症状や薬の副作用が出やすい。



■GOT、GPT 20−25U

理想値よりも低いときはB6欠乏が疑われる。
神経伝達物質のGABAの合成がうまくできないため、
落ち着きが無く興奮しやすくなる。

GOTに比べてGPTが低いほど欠乏がひどいが、隠れ脂肪肝があると、高くなることがあるので、
読み方に注意が必要。



■総コレステロール 180以上

理想値よりも低いとタンパク質不足が考えられる。
20−40代の人なら180−240mg/dlが適正値。

コレステロールは女性ホルモンや副腎皮質ホルモンの材料となるため、
低すぎるとホルモンバランスの乱れやストレス耐性の低下につながる。

極端な低下は強迫症状や気分の変調の原因にもなる。



中性脂肪 50−100

理想値より低いとタンパク質不足が考えられる。
中性脂肪は脂肪の量そのものではなく、リポタンパクといって脂質運搬体の量を測っている。

「低いほど肥満のリスクが少なく、血管の病気になりにくい」と安心するだけではだめ。
タンパク質不足では心身の機能はギリギリの自転車操業といえる。





尿素窒素 15−20

タンパク質の代謝がうまくいっているかがわかる。
理想値よりも低ければタンパク質不足である。

理想値かそれより高い場合でも、体のタンパク質が壊れて高くなっていることがあるので、
タンパク質不足を常に疑う必要がある。



■尿酸 4−6

尿酸が高いと痛風になるというのはよく知られており、
低いほうが健康と思いがちだが、低すぎるのは核酸不足である。

核酸はDNAやRNAなどの材料で、細胞の若返りに必須。

尿さんには活性酸素を除去する働きがあるので若干高め(4−6)のほうが理想的である。

理想値よりも低い場合にはEやCを多く含む食品を食べたい。




■MCV95−98
■MCHC32%以上

MCVは赤血球の大きさ、MCHCは赤血球の密度を反映。

理想値よりも低いと鉄不足が、MCVが理想値より大きいとB12、葉酸代謝異常が疑われる。

鉄とB12、葉酸の両方が不足しているときに一見、理想値になることがあるので、
女性の場合は、常に鉄不足を疑おう。






■血清フェリチン

男:120ng/ml以上
女:20代 50以上
  30−40 100以上


肝臓の貯蔵鉄の量がわかり、潜在性鉄欠乏になっていないかわかる。

理想値よりも低いと、ほとんどの女性に不定愁訴が現われる。
女性が様々な不調を訴える場合、鉄の投与だけでも改善が見られることがある。

欧米の産婦人科では、血清フェリチンが40以上ないと、妊娠を許可しないほど、
重要な値である。






■好中球 45−50%
■リンパ球 40−45%


2つの数値が1対1なら正常だが、好中球の比率が高いと交感神経緊張があり、
ストレス過多であると予想できる。

血液データで好中球が高ければ、問診をする前から
「日常的にストレスにさらされており、不眠・イライラや不安が強い」ことがわかる。

リンパ球の数値が高いと副交感神経優位になっており、だるさや疲労感が抜けない。

心療内科に行く前に食事を変えなさい 姫野友美 青春出版社





ビタミンA(主にレチノール)は、亜鉛によって活性化されます。
レチナール(ビタミンAアルデヒド)は、ナイアシン(VB3)によって活性化します。
ですので、亜鉛ナイアシン欠乏はビタミンA欠乏(機能不全)も招くのです。

過剰症の心配がないビタミンAの原料となりえるのが「βカロテン」
この機能を高める作用があるものが、ビタミンB2ナイアシンです。

βカロチンをレチノールに変える酵素が「ジオキシゲナーゼ」というもの。
この酵素を働かせるためには、鉄などのミネラルが必要なんだそう。

http://www.breath-design.com/?eid=1621069





通常亜鉛の血清値は130-110(μg/dl)で、90(μg/dl)以下では亜鉛欠乏といえます。
しかし亜鉛血中濃度調節機構によって摂取量に関わらず亜鉛血中濃度は一定に保たれるため、
亜鉛の血清値は亜鉛欠乏の良いマーカーとはいえません。
つまり、亜鉛の血清値が正常でも亜鉛欠乏の可能性は否定できません。
代表的な亜鉛酵素のアルカリフォスファターゼ(ALP)は亜鉛欠乏の目安となります。
アルカリフォスファターゼの血清正常値は130-300(IU/l)です。
肝臓や胆道系の異常があれば高値になりますが、低値の場合には亜鉛欠乏を疑います。

http://www.clinica.jp/?post_type=keyword&p=322



γGTPは肝機能などを表す数値として知られ、基準値は40(IU/l)以下です。
通常、薬の常用者・毎日のようにお酒を飲む方・脂肪肝の人などが高値になります。
10(IU/l)以下の低値の場合、タンパク質やB群ビタミンの摂取不足を表します。

また、GPT(ALT)が10(IU/l)以下の方、ALPが100(IU/l)以下の方、さらに総コレステロールが150(mg/dl)以下の方もタンパク質の摂取不足を考えてください。

http://www.clinica.jp/?post_type=keyword&p=330

血清フェリチン値は男性では100μg/ml以上の方が多いのですが、女性では10μg/ml以下の方も少なくありません。目標値は、50μg/ml程度です。治療には鉄剤を用いますが、全ての鉄剤は非ヘム鉄で、
Fe3+はFe2+へと変換される際に胃壁を酸化して不快感を与えます。
ビタミンCの同時摂取をお勧めします。
ヘム鉄は有用ですが、高価でサプリメントとして利用されています。ヘ
ム鉄の1日の摂取目標は10?20mgです。

http://www.clinica.jp/?post_type=keyword&p=320



私は
血糖(BS)
2012/11月:85(mg/dl)
2013/3月:92(mg/dl)
でした。

80〜85より低ければ低血糖症と言われていますが、
私はギリギリ問題なライン上でした。

これが、4ヶ月間のサプリメント糖質制限で、
92(mg/dl)まで改善しています。


次にヘモグロビンA1cHbA1c)です。
糖尿病の検査の中心になると言われています。
これは、ブドウ糖が赤血球中のヘモグロビンと
結合したもので、
過去1ヶ月間の血糖値の平均を表します。

HbA1c
2012/11月:5.1%
2013/3月:4.7%
※血液検査にない項目でしたので、
HbA1c=GA/3より換算しています。
JDSからNGSPへの移行は無視しています。
どちらにせよ、上の数字はやや低め。

6.5%以上で糖尿病
4.6%以下で低血糖症の疑い
と言われています。

私の場合は、少し低めですが、
一応問題ないラインでしょうか。


次にグリコアルブミン(GA)です。
これも糖尿病の検査の中心になると言われています。
血液中のアルブミンブドウ糖が結合してできる物質で
過去2週間の血糖値の平均を反映すると言われています。
14.5%以下ですと低血糖を疑います。

私の場合は、
2012/11月:15.5%
2013/3月:14.1%
でした。

HbA1cの結果と合わせて、
3月時点で低血糖の疑いがあると出ましたが、
これは糖質制限の影響と考えられます。


遊離脂肪酸(FFA)は、
ブドウ糖が足りない時の代わりに
エネルギー源として血中濃度が高くなります。

私の場合は、
2012/11月:0.66(mEq/l)
2013/3月:0.97(mEq/l)
でした。

0.8以上の場合であれば、この採決の直前に
低血糖状態があったと言われています。

私は、3月は低血糖だったようですが、
これも糖質制限の影響と考えられます。


ちなみに低血糖症では、
血糖値を上げるホルモンの影響で、
遊離脂肪酸が増える一方で、
中性脂肪とともにコレステロール値が低い
場合が多いようです。

中性脂肪
2012/11月:92(mEq/l)
2013/3月:54(mEq/l)

コレステロール
2012/11月:198(mEq/l)
2013/3月:247(mEq/l)

私の場合、糖質制限と高タンパク食で
中性脂肪が下がり、
コレステロールが上がりました。
少し不思議な感じですね。


中性脂肪は、車に例えるとガソリンです。
エネルギーになります。
十分な栄養が摂取されているときは、
中性脂肪として貯蔵されます。

一方コレステロールはエネルギーにはなりません。
人間の細胞は細胞膜によって仕切られていますが、
この膜の原料になります。
後、各種ホルモンの原料と、胆汁酸の原料です。
インスリン↑で合成が阻害され
グルカゴン(副腎ホルモン)↑で合成が促進される
と言われています。

よく中性脂肪コレステロール
ダイエットの目の敵にされるような風潮がありますが、
上記のような大事な働きがあるので、
低過ぎると問題があります。

栄養療法をしている先生には、
むしろ高いくらいの方がいいと言われることが多いです。
むろん高過ぎはNGですが。







最後にインスリン(IRI)を見ます。

2012/11月:3.9(μU/ml)
2013/3月:3.6(μU/ml)

特に問題はないようです。

インスリングルコースブドウ糖とのバランス
で考える必要があります。

グルコースが低めなのに、
インスリンが多く出ているのは
バランスがおかしいと考えます。

これをインスリン抵抗性といい、
糖尿病の人などは、
同じインスリンの量を注射しても、
血糖値が下がりにくいと言われています。


全体を通して、
私はエネルギー不足であることと
血糖値はやや低めの傾向があります。
問題が大きいレベルではありませんが、
副腎疲労低血糖症が表裏一体であることを考慮すると、
低血糖の対策(糖質制限やビタミンB群の積極的な摂取)
は引き続き必要と考えています。

http://ameblo.jp/kabasan0917/entry-11571259245.html

血液検査で亜鉛と銅の比率を見ます。

Cu:124(μg/Ul)
Zn:82(μg/Ul)
(2012/3のデータ)

良いバランスは銅1に対して亜鉛0.9〜1
くらいだと言われています。


ただし、他のミネラルと同様、亜鉛や銅も血中で絶対的な
過不足の判断は難しいとされています。
そこで、亜鉛の不足にはもう一つALPをチェックします。

ALPは酵素の一種なのですが、
補酵素として亜鉛を必要としています。
ですので、亜鉛不足では低くなります。
150以下だと酵素活性低下を意味します。
ただし、この数値もあくまで参考で、
ASPが高いといって亜鉛不足がないわけではありません。

ALP:216(U/I)
(2012/3のデータ)


私の場合、ALPの値はそれほど低くありませんが、
亜鉛比は理想値よりだいぶ低かったです。
このことと以下の症状から、亜鉛欠乏と判断します。


亜鉛が不足するとどんな不具合があるのでしょうか?

亜鉛は300種類もの酵素の組成に必要になります。

先日記事にしたジホモγリノレン酸に変換する酵素
デルタ6デサチュラーゼもその一つです。
私はこの酵素活性が低いことがわかっています。
それによって善玉プロスタグランジンの生成が低くなってしまいます。

そのほか亜鉛が含まれる酵素の働きで現在わかっているものは、
成長維持、中枢神経系への関与、味覚への関与、
皮膚・骨などの機能維持、糖代謝
たんぱく質・コラーゲンの合成、免疫システムへの関与、
インシュリンをはじめとするホルモン分泌(血糖値の維持)、
アルコール代謝、抗酸化作用、生殖機能の維持
などがあげられます。

私の場合は、この中ですと、
肌のシミや乾燥が気になっているところです。
これは亜鉛不足の影響があるのかもしれませんね。
また、血糖値の維持にも問題があると思います。
お酒も弱いのはこのせいでしょうか??

アルコール分解には、アルコール脱水素酵素
アルデヒド脱水素酵素が働いています。
亜鉛はこれらの酵素を活性化するそうです。

また、亜鉛活性酸素を除去する活性酸素除去酵素
構成成分であり抗酸化作用にも大きく関わります。
亜鉛が十分になければ老化が進んでしまいます。

亜鉛不足は男性不妊の原因とも言われています。
不妊の原因は女性だけにあるのではないのですね。

あと、抜け毛も関係ありそうです。

このように亜鉛不足は様々な不具合を生じます。


ところで、血中の亜鉛が不足して銅が増えることで
困るのは、イライラが募り、暴力が発生しやすく
なることのようです。

米国での調査によると、
暴力犯罪歴のある統合失調症男性患者、
暴力犯罪歴なしの統合失調症男性患者、
一般男性の血液に含まれる銅/亜鉛
を調べたところ、以下の結果が得られたとのことです。

暴力的な統合失調症男性:1.53
一般の統合失調症男性:1.15
一般の男性:1.02

ちなみに、私は1.51でした!!

この数字を見たとき、
あぁ自分がイライラしやすかったり、怒りっぽいところがあるのは、
こういうことか、と妙に納得したのを覚えています。
それと同時に暴力犯罪を起こしかねないと、
少しゾッとしました。。。

犯罪の裏側にはこのように重大な栄養欠損がありえることを
この調査を見た時に、初めて知りました。

急いで亜鉛サプリを摂るようにしたのは
言うまでもありません。

ちなみに、分子栄養学でのサプリメント使用の目的は、
ミネラル類は「足りない分を補うため少量だけ」
ビタミン類は「医学的効果を期待するため大量に」
です。


さて、ではなぜ亜鉛欠乏が起こるのでしょうか?

一般には、ストレス、激しい運動、アルコールの摂取
亜鉛は消費されるといわれています。

ですが、私はそこには例の如く、
水銀、カドミウム、鉛など有害ミネラルが大きく関係
していると思います。

人体には、体に入ってきた有害ミネラルを
無毒化してキレートする働きを持っています。
先日話した排泄能力ですね。

その働きをしているのが
メタロチオネインという亜鉛を含んだタンパク質です。

http://ameblo.jp/kabasan0917/entry-11571745816.html